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これだけは言わせてもらいます!

マンション管理組合の理事長の方へ

2013/11/21

マンションイメージ

マンション管理組合の理事長の役割が大きく、責任が重すぎるので、1年から2年の任期の間、何もしないのが得策と考えている人も多いようです。

私も和泉市、大阪京橋、和歌山田辺市にあるマンションの区分所有者です。和泉市のマンションで修繕委員として名乗りをあげたことがあります。大阪京橋や和歌山田辺市のマンションでも手をあげましたが、管理会社と住民のトラブルでまとまりが悪かった事実もありました。

和泉市のマンションでは、修繕委員会でコンサル業者を選定し、工事完了後も委員会をそのまま存続させ、小修繕工事も自分たちで検討しています。これまで、理事長が2~3人代わりましたが、その時々の理事長は安心して見守ることが出来たようです。理事長の任期は1~2年で良いと思われますが、修繕委員会を5年位の任期にして少しずつ入れ替えをしていくとマンションの状態もよく理解でき、愛着を感じたり、コミュニケーションもよくなると思います。あと、修繕委員会に理事のメンバーも加えて理事会と連動していくことの必要性も感じます。

マンションの大規模修繕の歴史に関して、長期修繕計画も含めて、第一ステージから今第三ステージに来ていることもつけ加えますので、是非参照して下さい。


1980年ごろ
長期修繕計画の考え方が認識されはじめる。
1995年
住宅金融公庫が融資の条件として、長期修繕計画の作成と初期の修繕積立金の最低額の設定を、マンションデベロッパーに義務づける。
○第一ステージ 責任施工方式
主に建築したゼネコンが工事の施工をした
○第二ステージ 建築設計事務所、コンサルタントの出現
コンサルを育てたのが施工会社が多い為、コンサルは"恩を返す"ということで設計監理方式が出来、公募条件でしばりを発明した。
○第三ステージ
2004年 改修によるマンション再生手法に関するマニュアル
2008年 長期修繕計画作成ガイドラインで今の形が出来てきた

※現在、談合がまかり通っています。

民間の談合は公正取引委員会は消極的ですが、管理組合は組織です。修繕積立金という税金のようなお金を集めます。公共工事と同じような性格なので公正取引委員会はこの問題について本格的に取り組んでほしいものです。

はじめてのマンション大規模修繕」P16~21参照


管理組合の方へ

2013/11/21

他のマンションの管理組合との交流会を是非おすすめします。管理会社からの管理人が窓口となって、ほとんどのことが事務的に処理されていますが、色々問題があることも事実です。

「二つの老い」と言われるように、住民に関しても年齢的にも高齢化していますので時間に余裕のある方々も出てきているのも事実です。マンションは大きな財産でもありますので、常に快適に過ごすことが必要です。社会奉仕、社会貢献に則って、他の管理組合との交流を通じ、互いに情報交換することが大事だと考えます。現在、神戸、枚方、和泉で、各々交流会を開催していますが、お呼びかけがあれば、お手伝いさせていただきたいと思います。


大規模修繕工事の問題点

2013/11/21

  1. 職長の見える化
  2. 雨がかりの仕事の悪さ
  3. 全ての工事にコンサルが必要か

関西圏のマンションに対して、飛び込みを約4000棟行い、色々な意見を聞けるはずでありましたが、窓口の大半が管理会社の息がかかった管理人ということもあり、かなり困難をしました。しかし、その中で神戸交流会との出会いがありました。宮前会長というカリスマ的な人物と出会い、その仲間との出会いもありました。また彼らに、年に十数回、数十時間、お付き合いしていただき、マンション大規模修繕の問題点を徹底的に討議できたことについては、非常に感謝する次第です。
先に挙げた三つの問題点は、全国どこの管理組合でも共通の大きな悩みであろうと思います。それぞれの問題について述べていきます。

1.職長の見える化

大規模修繕工事は誰が何をどうしているのか全くわからない状態が多いのではないでしょうか。一般的な建築工事では、28専門工事業者それぞれに職長登録をして作業をしていますので、現場の監督は、職長同士のコミュニケーションに気遣っていれば、自然と仕上がりがよくなっていくものです。したがって現場では、職長が最大のキーマンと言えます。技術的には各職種、一級二級と国家免許を取得していることも大切ですが、各業種のコミュニケーションが大事です。職長同士が互いに協力しなければ、建物の保護と美観がまとまっていけません。

例えば、タクシー業だと、交通規則遵守は安全運転の基本ですがそれだけで良いかと言えば乗客の安全はもとより、歩行者等の安全を確保する優しい運転をモットーとすることが使命でもあり、ドライバー一人一人がこれを全う出来るよう教育されています。それが我々でいう職長の使命です。企業はその延長線上であることは言うまでもありません。優秀な職長をいかに多く育てていくかどうかであります。この大規模修繕については歴史も浅く、職長教育や登録なしに施工されている例が多いために、事故や現場のトラブルを発生させているのです。職長は技術と安全を確保する上に、マンション住民という現場にお住まいされているお客さまに接する姿勢も問われます。

プロ同士の現場なら、大声、怒鳴り声は日常ですが、大規模修繕の現場は"サービス業"的な要素が大変高く要望されます。私は、"建設技術のしっかりしたサービス業"だと思っています。住民への対応もしっかりすることは、職長教育に入れていかなければなりません。


2.雨がかりについて

一般的にマンションの新築時の仕上げに関わった経験から言うと、m2単価が安く工期が短い為、特に最終仕上げについてはほぼ突貫になってしまう場合が多く、仕上剤については、塗材、タイルともに良質な材料が使われていない場合も多いです。皆さん、新築時を想像して下さい。

①外壁は足場を組み、シートを貼った中での作業は太陽の光が余り無い為職人さんの経験だけで施工するという言わば"エイ・ヤー"の世界なのです。足場をとってみるとつなぎに吹きむらが出てくるのが通常で、"こんなものです"ということで概ね引渡すことが多い為、塗布も規定以上には実施していないのが一般的です。

②外部鉄部の非常階段、手すり、駐輪場、駐車場、立体駐車場などの「雨がかり」といわれる箇所について述べますと、業者の作業場で鉄骨や鉄材、素材を切断して、その中でさび止めをし、屋外に出し、野ざらしの上にさび止めを塗っているのです。工期が近づくと現場に搬入し、取付、製作していく訳ですがビス、ボルト、ナットなどは、現場で取付するものですから、ほとんどさび止めを塗っていません。現場の塗装業者がその上に、中塗り、上塗りをしているのがほとんどなのです。マンション以外の建物だと、業者が製作する金物を素地のまま搬入し、取付けをしてもらい、塗装業者が下地処理、ケレン、さび止めを別途するのが通常で、将来のメンテナンスも含め現場の担当者が気付き、我々業者がアドバイスをして、その工事分を別途清算してもらうのが現場を永く維持するためのいわば常識なのです。ただ、図面や指示書には載っていませんので職長のコミュニケーションによるものです。

マンション全般から言うと足場をばらして竣工する時は、仕上げは一応化粧していることもあり、きれいに見えますが、中味はぼろぼろなものも見受けられます。

非常階段の雨のたまる所は、1年目からさびが出てきますが、住民は住んで間が無い為に気付かないことが多いのです。本当は竣工後5年位でメンテナンスを部分的に施工することが効果的です。進言します。一般的では10~12年目に施工することになるのですが、その際は"雨がかり"箇所は特別に考慮する必要があります。

※鉄はさびます。養生、清掃、ケレンが必要です。さびている所は素地までケレン、下地処理が必要なのです。


3.全てにコンサルタントは必要か(全国の70%は20~50戸未満です)

結論から言うと必要ではありません。"まちの大工さん"のKSKに任せてもらえれば、大丈夫です。
マンション自身はそう難しい建物ではありませんし、仕上から言うとほぼタイルと塗装の世界の仕事がほとんどです。雨がかりのメンテナンスをしておけば、2回目の大規模修繕も雨がかりと雨がかりでない仕上面も、塗材の変更があって当然です。雨のあたらない階段や廊下は、実はよごれているだけでほとんど変化していません。また足場も全面必要なくゴンドラ作業でも十分施工出来るのです。"安く早く"出来る大きな要素です。このマーケットも歴史を踏めばそうなっていくと想像出来ますし、必ずそうなっていくように仕向けていく必要があるのです。発注者がアマチュアの為につけ込まれた大きな要素です。

ただ、マンションの新築時の出来も含めて申し上げますと、第1回目の大規模修繕は非常に大事であります。躯体自身を見直すことからしても、専門家に依頼すべきです。
神戸交流会と徹底的に話し合いをし、最終的な結論を持ちこしたのがこの部分でしたが、新築時の様子がわからないこともあると思います。今まで述べましたように、新築の時は工期が短く、m2単価が安いのが通常である為に、デベロッパーが一番手掛けやすいのもマンションでありました。特に外部の仕上材については、色々問題があることについて述べてきたので、おわかりだと思います。
第1回目の大規模修繕は躯体のわかるコンサルが必要であり、第1回目をしっかりしておけば、60年後も100年後も自然災害がなければ、マンションは保つと思います。従来の考えでは公共施設も含めて通常40年位で建替をする目安とされていましたが、手入れを入念にしておけば長く保つものなのです。



工事発注について

2013/11/21

入札の歴史について

"売手よし、買手よし、世間よし" 安ければ良いというものではありません。大きな財産です。自分の体そのものです。小さな病気は便利な町医者へかかるでしょうが、手術を伴うような病気なら安い医者でいいと思いますか?

コンサルや工事会社の選定については、その現場を正確に把握されているかが一番の問題です。入札の歴史を言いますと、明治22年公共工事の基本規定の会計法で一般競争入札が制定されましたが、明治33年に指名競争になり、約100年歴史を重ねてきました。しかし、業界の談合、官製談合、公平性、透明化に欠けてしまったので、平成18年から一般競争入札に回帰しました。まだまだダンピングなどの問題もあり、今総合評価を工夫と試行している段階で、未だ10年しか経っていません。

マンションの工事発注について

現状のマンションの大規模修繕の入札は、談合を基軸にコンプライアンス違反が大部分を占めているといって過言ではありません。この項については、パブリシティの釜田弁護士と岡会長と草刈の会談を参照して下さい。またなぜこうなったのかは次に述べます。


職人の技術と「オープンブック方式」

2013/11/21

仕上(塗装、防水)業は、新築時は総工事の1%位ですが、大規模修繕となると50%以上になる為、業者主導でそのマーケットは開発されていったといっても過言ではありません。デベロッパーも管理会社も登録があっても、実際に現場に精通している人はごくわずかな人ですし、ゼネコンも改修工事に関わる部分はそう重きを置いてなかったのです。(建築士を目指す人は1%に関わっていると資格が取れなくなるので仕上業者の番頭や職長に任せていたのです。)

この種の仕事は、我々専門工事業者、特に主に塗装業者に下見積を含め、仕様書までを依頼していたのが現状です。
業者が下見積をすると安く見積りするはずがありません。値切分も含めて、提出するのが一般的です。その結果様々な問題がはびこっています。

イ.バックマージン  ロ.仕事の悪さ  ハ.手数料の問題

※何故塗装業者が中心かということは、新築時の仕上業者の中で左官と塗装は大事な業種であり、塗装工は補修、シールも含め、これの仕上をほとんどマスターしているのです。また、一人前の職人になるには通常10~15年かかります。(「はじめてのマンションの大規模修繕工事」参照)

左官業の歴史と技術を見てもわかります。左官の技術は奥深いものがあり、従来の建築物に占める左官のウェイトが、大変大きなものでありました。しかし近年、技術が簡素化されてきています。その象徴がハウスメーカーの住宅です。プレカットされたものを流れ作業で組付けできる住宅が開発されたことで、左官の仕事が減少して来たのです。例えば塗装ですと、①色合わせ、②刷毛さばきで、約10年経験が要るのですが、色合せはメーカーで、刷毛がローラーになってしまっていて技術を習得することがなくなったのです。今、吹付やタイル仕事も含め、多くは左官業からでありますが、時代の流れのマーケットに合わすことが出来ず(または職人のプライドも高かった?)に来たのが、事実でありました。建設業の専門工事業者は28業種と言われていますが、昔の技術は躯体を含め、主に7業種で建てられたのです。したがって7業種一つ一つに約10年位の修行が必要だったのです。住み込みで10年位見習えば立派な技術を持つ職人として育つのが通常でした。"手に職を持て"という言葉は多くの業種に言われた所以です。

また我々塗装業者には過去に大きな問題が発生しています。公共工事の談合問題です。現状のマンション大規模修繕のマーケットのほとんどが、その時と同じような形で施工されていることを理解しなければなりません。

いずれはマンションも管理組合という組織なので、談合問題が適用になると思います。
このマーケットに透明性をもたらすのが、まさに「オープンブック方式」なのです。